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(2)船体への取付け場所(3ユニットタイプのみ)
送受信機は、空中線との接続に、導波管やケーブルなどを使用するが、特に導波管は電波の伝送損失を小さくするため、最短距離で配管するとともに、ベンド類は極力少なくし、かつ、ツイスト導波管を使わなくても済むようにする必要がある。したがって、送受信機はマスト近くの船内で、ツイストを使わなくても済むような壁面に設置するのがよい。2・3・5にも詳述してあるが、ツイスト導波管は損失が一番大きいので、これを使わないでかつ、ベンドの使用数が少ないのは良好な装備法といえる。
また、送受信機は少なからず発熱しているし、マグネトロンを用いているので、寿命の点から熱がこもる狭い場所に設置するのは避けたい。同様に、他の発熱体の近くに置かないようにする。
(3)導波管との関連
送信機の送信電力や周波数その他の特性を測定するために方向性結合器を必要とする場合がある。このときは、送受信機のケースから出たところに方向性結合器を装備すればよい。ただ、この場合は、天井とケースとの間に適当な空間が必要となるので、その寸法等については、レーダーメーカーと相談して決めた方がよい。なお、方向性結合器が付いていない場合でも、点検保守のために、天井とケースの間は中形ドライバーが入るぐらいは、空けておく必要がある。
(4)サービススペース
各レーダーの工事用図面に指示されているサービススペースは、保守のために必要なものであるから、極力これに協力すること。前項でも述べたが、ケースが天井に寄り過ぎているのは、導波管を点検するときのことや、通風のことを考えると好ましくない。できれば300mm程度は空けたい。
(5)磁気コンパスヘの影響
送受信機は、強磁界であるマグネトロンを持っているので、磁気コンパスヘの影響も大きく、したがって、安全距離もまた大きい。通常ケースに明記されているが、大き過ぎて距離が確保できないときは、電源のON-OFFにより一定値以下であれば接近が許されている。設置完了後に、磁気コンパスの自差修正をする。各メーカーへ問い合わせるのがよい。
(6)無線機器などへの影響
レーダーの構成ユニットの中で、送受信機が最も無線雑音を出す。したが

 

 

 

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